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子どものカゼ

子どもはよくカゼをひきます。小さい子ほどよくひきます。決して周りのせいではありませんが、高い熱で心配になったり、鼻づまりや咳でよく眠れなかったり、つらそうです。 そんな時、カゼの正しい知識を持って、少しでも安心して乗り切ってもらいたいと思い、まとめました。

●カゼの原因と経過

カゼの原因には、大きく分けて「ウイルス」と「細菌」の2種類があります。
ほとんど(90%以上)がウイルスによっておこり、ごくまれに溶連菌などの細菌が原因になります。

カゼは、
①ウイルスや細菌が鼻や口から入る

②体の中で増える(まだ元気)

③脳が熱を上げる指令を出す(何かへんだな)

④ブルブルふるえて熱を作る(悪寒がする)

⑤熱が上がりきる(だるい、食欲がおちる、頭が痛い)、鼻水・咳が出る

⑥熱がさがる

⑦鼻水、咳がだんだん減る

⑧治る

という経過をたどります。

●熱・鼻水・鼻づまり・咳について

カゼをひくと、熱が出たり、鼻水、鼻づまりや、咳、痰がでます。
どれもつらそうで、一刻も早く、楽にしてやりたいものです。
ここでは熱、鼻、咳の症状別に、なぜこれらの症状がでるのか、どう対処したらいいのかをみていきます。

熱はなぜ出る?熱は「怖いもの」?
カゼの時に熱が出る理由は二つあります。

一つ目は、これ以上ウイルスや細菌が増えないようにするためです。体に侵入したウイルスや細菌は増殖することで悪さをしますが、体温が上がるにつれ増えにくくなり、39~40℃になると、ほとんど増えることができません。この為、熱が出ます。

二つ目は、熱が出ると免疫細胞たちの働きが活発になるためです。この免疫細胞こそが、侵入してきたウイルスや細菌をやっつけてくれる、「自分で治す力」の正体です。

これらの理由から、脳はカゼを早く治すため、わざと体温を上げる指令を出します。つまり、熱が出ることでカゼが早く治るのです。決して怖いものではありません。

しかし、子どもが熱を出すと不安になりますね。特に、熱で頭がおかしくなったりしないのか?高熱になるのは重い病気ではないか?あるいは、とり返しがつかなくなったらどうしよう・・・と心配でしょう。しかし必要があって熱を出しているので、たとえ40℃が数日続いても、脳がやられたり、後遺症が残ったりすることはありません。心配だと思いますが、カゼで出る熱はいくら高くても大丈夫だと知って下さい。また、熱の高さと病気の重さは関係がありませんので、高熱だからと慌てることはありません。

鼻水と鼻づまりのこと
鼻水は、ウイルスや細菌を追い出すために出ます。鼻づまりは、これ以上病原体が入ってこないにように、ブロックする働きです。しかし鼻がつまると、よく眠れなかったり、ミルクが吸えなかったり、見ていて辛そうですね。なんとか楽にしてやりたいものです。その方法として「鼻水の薬を飲む」「鼻を吸い取る」などが思い浮かぶと思いますが、鼻水の薬(ポララミン、アリメジン、ペリアクチンなど)について知っておいてほしいことがあります。

最近の研究で、鼻水の薬は、鼻水、鼻づまりにほとんど効果がなく、まれに重い副作用が出ることが分かってきました。その上、鼻水の薬は鼻をねばっこくし、固めてしまうので、飲むと余計つまって苦しくなります。これをふまえ、当院では鼻水の薬を出していません。自信をもっておすすめできないからです。しかしこのままではつらそうで何とかしてあげたいと思います。

一番おすすめの方法は、鼻水を吸い取ることです。原始的ですが、これが最も有効な方法です。お家でも吸って下さい。加湿をすると鼻づまりが楽になりますし、鼻水もやわらかくなるので、吸いやすくなります。お風呂の後などがおすすめです。お家で吸いきれない時や、粘っこくて詰まっている時は耳鼻科に来てください。鼻を吸ってすっきりしましょう。

咳のこと
子どもの咳は見ている家族にとってもつらく、一刻も早く止めてやりたいものですが、ウイルスや細菌を外に追い出そうとする働きが咳なのです。薬で咳を止めようとするのは、早く追い出す大事な働きを止めようとすることですので、あまりおすすめできません。なるべく加湿、加温、こまめな水分補給で乗り切りましょう。

そうはいっても咳が長引くと心配ですね。つらそうだな、という時は小児科で胸の音を聞いてもらい、気管支炎や肺炎、喘息ではないか、チェックしてもらいましょう。咳がこじれて肺炎になることはありませんが、こまめなチェックは大事です。
また、痰がからんだ咳は、鼻水がのどへ落ち込んでいるからです。鼻を吸い取ればのどに落ちなくなり、咳が楽になりますので、鼻水を吸いに来て下さい。

このように、熱や鼻、咳は、カゼを早く治すため、体がわざわざ起こしている大切な防御反応だと知っておいて下さい。

●病気を治すのはクスリ?

実はカゼのウイルスをやっつける薬や、治るまでの期間を短くする薬はありません。
カゼを治しているのは薬ではなく、子どもの「自分で治す力」と、ご家族の環境作りです。


今まで病院では、カゼの時にいろいろな薬(解熱剤、咳止め、鼻のくすり、痰切り、抗生物質など)を出していました。私たちも子供の頃は「飲まないと治らないよ」と言われ、飲んでいましたね。これらの薬は、大人の薬の量を少なくして、少しでも楽になってほしいという願いのもと、長い間使われてきました。しかし、風邪薬を飲んで死亡したり、重い副作用が残る子どもが多いことを受け、2000年頃から「子どもの風邪薬は安全なのか?」「本当に効くのか?」について、世界中で検討されるようになりました。その結果「乳幼児のカゼ薬はほとんど効果がない」「まれだが重い副作用がある」という結論に至りました。このため、現在アメリカでは2歳未満、カナダ、イギリス、オーストラリアでは6歳未満の子どもに、カゼ薬を飲ませないように勧告しています。日本も徐々にそうなっていくでしょう。このため、子どもに薬を飲ませるのは慎重になった方がいいです。

子どもが熱を出し、鼻や咳が出ていると、ご家族にとって、とても心配なことだと十分承知しています。一刻も早く楽になってほしいのは、我々病院も同じです。そこで、子どもの「自分で治す力」を引き出す、家庭での環境作りとケアについて考えていきます。

●カゼの時の環境作りとホームケア

カゼのウイルスは冬場に増殖しやすいです。ウイルスは乾燥が大好きで、乾燥していると、どんどん増えていくからです。そこで家庭では、室温を22℃、湿度を50%~60%を目標にしましょう。

体の中も同じで、鼻やのどが乾燥しているとウイルスが増殖しやすいです。こまめに水分を取ったり、飴をなめたり、マスクをしたりして、のどが乾燥しないようにすると良いです。蒸しタオルを鼻の辺りに近づけてあげるのも良い方法です(やけどに注意して下さい)。またお風呂に入ると温かい蒸気が吸えるので、のどがうるおい、おすすめです。カゼの時は湯冷めしない様に、パッと入りましょう。

カゼで食欲がないと、ますます心配になると思いますが、カゼの時はあまり栄養にとらわれず、子どもの欲しがるものを与えましょう。水分さえ取れていれば心配ありません。お茶、お水、麦茶、スポーツドリンク、お味噌汁、ジュースなど、何でも大丈夫です。食事の時間にとらわれず、こまめに与えましょう。体の水分が不足すると、すごくだるくなります。そうなると、ますます食欲が落ちてぐったりし、カゼと闘う力が弱くなってしまいます。特に熱が高い時には、出来るだけ水分をとりましょう。

熱の時に、温めるのか、冷やすのか悩む場面があると思いますが、本人が快適と感じる様にしてあげます。寒いと訴えたりガタガタ震えていたら温かくし、暑いといったり汗をかいている様なら涼しくしてやります。赤ちゃんの場合は訴えられませんので、寒がって震えている様なら一枚増やす、熱が上がりきっている様なら一枚脱がせる、といった感じが良いでしょう。

●解熱剤の使い方

熱が出ると解熱剤を使って下げてやりたいのが親心ですが、体は熱を上げてウイルスが増えないようにしています。熱を下げるとその間ウイルスが有利になり、かえって治りが遅くなる恐れがありますし、解熱剤でカゼが治るわけではありません。ですから「熱が上がったら解熱剤」という使い方は、カゼを早く治す点からは間違っています。

元気なら熱を下げないで下さい。カゼの熱はどんなに高くても心配ありません。ただし、一時的に体を楽にしてやりたい時は使っても良いでしょう。熱が下がっている間に食事や水分補給をしましょう。しかし体にまだウイルスが残っていたら、必要に応じて体はまた熱を上げます。

もし解熱剤を使う場合には、悪寒している時や寒がっている時は使い時ではありません。悪寒が治まって、熱が上がりきってから使います。また38.5℃になったら使うと決まりもありません。高熱でも元気なら使う必要はありません。熱でぐったりし、食事も出来ない状況なら使っても良いでしょう。

※熱性けいれんで、解熱剤の使用について小児科から特別な指示を受けている方は、その指示に従って下さい

●カゼには抗生物質?

カゼの原因になる病原体には、大きく分けて「ウイルス」と「細菌」の2種類があります。
このふたつは、まったく別のものです。抗生物質は「細菌」をやっつける薬です。カゼの90%以上は「ウイルス」が原因なので、ほとんどのカゼに、抗生物質は効きません。このため「カゼをひいたら抗生物質」は好ましくないと言えます。ただ例外として細菌によるカゼもあります。それが、溶連菌(ようれんきん)による扁桃炎です。この溶連菌は細菌なので抗生物質が効きます。カゼの中で唯一抗生物質が登場する場面です。

カゼを治す薬、すなわち「ウイルス」をやっつける薬は、現在でもありません。
このため、「自分で治す力」を引き出してあげる環境作りがとても大切です。

●病院の役割は?

いわゆる「カゼ薬」は、実際にはほとんど効果がなく、副作用の方が心配なため、子どもには飲まさない方が良いとされています。このため当院では、カゼ薬はほとんど処方せず、家庭でできることをお伝えしています。
では、カゼで熱があってぐったりしていても、カゼをやっつけられる薬がないなら、病院に行かず、家で寝かせていれば良いのでしょうか?

当院の考える病院の役割は、今の状態に、なにか重大な病気のサインがないかをチェックすること、です。診察も、ここにポイントをおいていますので、病院へは「心配ないカゼなのか、念のためチェックに行く」という感覚で来てください。そして「恐らく、あと数日熱が出ます」とか、「すぐ治りそうだよ」とか「○○して下さい。それで良くなります」など今後の大まかな見通しや、お家での過ごし方を伝えます。

また「今日はこのまま大事にして様子を見て下さい」と言われ、経過をみていくうちに心配になったり、何か変だなということがあれば、遠慮なく来てください。
その他、プールは?お風呂は?シャンプーは?など気になることがあれば、遠慮なく聞いて下さい。

●どのタイミングで病院に行くと良いのか?

熱はカゼを治すのに大事だと分かっていても、どうしても心配になると思います。
特に夜間や休日に熱が出ると、すぐ病院に行った方がいいか迷う場面が多いと思います。
目安は、生後3か月を過ぎていて機嫌がよければ翌朝でもいいと思います。普段どおり、食べたり、飲んだり、遊んだりしていれば急がなくてもいいでしょう。

またカゼの時、子どもは突然中耳炎になることがあります。とても痛がるので何とかしてあげたいと思います。耳をとても痛がった場合、もし手持ちに痛み止め(熱さまし)があればそれを使って翌朝来院して下さい。この場合は熱がなくても使っても良いです。飲まなくても眠れそうなら、痛がる耳の後ろや下を冷やしてあげるのも良いです。おうちで鼻水が吸えるなら吸ってあげてください。それだけで楽になることもあります。

もし、様子を見て痛みが取れそうにない場合には、病院に行きましょう。

●耳鼻咽喉科の特色

カゼをひくと何科を受診したら良いか迷うことがあると思いますが、耳鼻咽喉科は、耳と鼻とのどが専門です。鼻水が出る、のどが痛い、痰が出るなど、鼻、のどの症状が中心なら耳鼻科の受診をおすすめします。

子どもの場合はカゼの時によく中耳炎になるので、耳のチェックもできます。
耳鼻科の特色として、鼻や痰を吸いとることが出来ます。鼻を吸いとると、すっきりしますし、中耳炎の予防にもなります。
特に小さい子どもは、自分で鼻をかんだり、痰をきることが難しいです。鼻がつまって口で呼吸すると、のどが乾燥し、ウイルスが繁殖しやすくなります。おうちで吸うのも限界があると思います。鼻の通りが良くなると、ミルクの飲みもよくなりますし、ぐっすり眠れます。そうすることで、子どもの「自分で治そうとする力」をサポート出来ますので、鼻吸いだけでもいらして下さい。

最後になりますが、大人のカゼについても少しふれたいと思います。
大人も、熱、鼻水、咳が出るのは子どもと同じ理由です。ですから、むやみに症状を薬で抑えるのは、あまりおすすめではありません。
とは言っても、大人は無理をしても、やらなくてはならないことがあります。咳をすると周りが気になったり、熱が高いまま仕事や家事をするのは大変です。こういった理由から、大人のカゼには症状を抑える薬を処方しております。ただ、カゼを治すのは、薬でありません。休める所はしっかり休み、ご自身の「治す力」を引き出して下さい。

子どもはカゼをひきながら大きくなっていきます。カゼをひいた時は、普段にも増して、気にかけ、手を掛ける時間が増えますが、親子の絆が深まるいいチャンスなのかも知れません。正しい知識を持って、乗り越えていきましょう。

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