耳鼻科の病気について
  • ホーム
  • クリニックのご紹介
  • 耳鼻科の病気について
  • アクセス・地図

中耳炎

カゼをきっかけに、鼓膜の奥に菌が入り、うみがたまる中耳炎。
治療に通っても、治るまでに何カ月もかかったり、治ったと思ったら、またなったりする中耳炎。
どんな治療をするのか、どのくらいで治るのか、家では何を気をつけたらいいのか。
もし、夜や休みの日に、急に痛がったらどうしたらいいかなど、皆さんが中耳炎の正しい知識を持って、
安心して治療に取り組めるよう、まとめました。

●耳はどうなっている?

耳と鼻は、奥でつながっています 耳を外から見ると、一番奥に鼓膜。鼓膜の奥は部屋があります(下の図の、青い点線)。 この部屋を中耳(ちゅうじ)といい、ここにうみがたまるのが中耳炎です。 この部屋は、鼻の奥と管でつながっています。

●なぜ中耳炎になる?

菌が、鼻から耳に入ってくるから 菌は、耳の外からではなく、鼻の奥から入ってきます。 プールやお風呂の水は関係なし。カゼがきっかけで増えた菌が、耳へ入って中耳炎を起こします。
小さいうちは、しょっちゅうカゼをひき、カゼとセットのように中耳炎になるもの。

鼻水が出るたびに、中耳炎になる子も多いです。子どもがよく中耳炎になるのは、カゼをひきやすいことと、管の仕組みが関係しています。下の図の様に、子どもの耳の管(耳管)は大人と比べ、太く短く、傾きも水平に近いので、菌が耳に入りやすいからです。

●何歳までなりやすい?

1歳までに、ほとんどみんな、一度は中耳炎になります(気づかない場合もあり)。
小学校に入るまでは、カゼをひくたびにかかるというくらい、しょっちゅう中耳炎になります。
しかし、10歳を過ぎるとあまりならなくなります。
小学校に入るまでは、カゼをひいたら、中耳炎になっているかもと考え、見せに来ましょう。

●どんなふうに治る?

中耳炎は、急に腫れて、すごくゆっくり治ります。
下の図が腫れ具合のイメージです。

まず、中耳炎になる時は急です。朝大丈夫でも、夕方腫れることがよくあります。
しかし、ピークは1週間くらい(ピンク色の部分)。
痛みや熱が出ることもありますが、これも一晩か、2~3日でおさまります。

しかし、これで治ったわけではありません。痛みがなくなっても、鼓膜の奥の「うみ」はたくさん残っているので、鼓膜が動けません。聞こえが良くないです。その後、ゆっくりゆっくりうみが抜けていって(青の部分)、聞こえが戻り、完治します。大事なことは、痛みがとれても完治しているわけではないということ。なんとか腫れのピークを過ぎた、と考えて下さい。

では、たまっていたうみは、どこへ行くのか?入ってきたのと逆の方向へ、管を通って鼻の奥へ抜けます。ここに邪魔になる鼻水がないように、鼻の通りを良くすることが大切です。

●どのくらいで治る?

ゆっくり治るとは、具体的に、どのくらいかかるのでしょうか。
中耳炎のうみが完全に抜けるのは、早くても1カ月、うみの量が多いと、2~3ケ月かかることもよくあります。カゼのように、1週間で治るものではありません。

なかなか治らないのではなく、何か月もかかって治るのが中耳炎。
順調にいっても結構かかるので、根気よくがんばりましょう。

●急性中耳炎と滲出性中耳炎

滲出性(しんしゅつせい)中耳炎って何? 中耳炎は、治る途中で名前が変わります。痛みや腫れの強い、はじめの1週間を急性中耳炎と呼び、ピークを過ぎて、残りのうみが、だんだん抜けて、治っていく時期を滲出性中耳炎と呼びます。

滲出性中耳炎とは、「急性中耳炎が治ってきている途中ですよ」、という時期の呼び名です。
時期で名前が変わるんだな、と考えて下さい。

●急性中耳炎の治療

なってから1週間の間は、 ①~④で乗り切ります

①まずは痛みを止める
中耳炎の痛みは、一晩か、続いても2~3日です。痛み止めで乗り切りましょう。
耳の下や、後ろを冷やすだけでも楽になります。
もし、夜や休みの日に耳を痛がったら、手持ちの痛み止めを一回使ってみてください。
それで痛みがなんとかなれば、次の日、耳鼻科に来れば大丈夫。
飲んでも、痛みがとれない時は救急へ行きましょう。

②「みみだれ」が出たら、外だけ拭く
うみがパンパンにたまると、鼓膜に穴が開いて、自然にうみが出ます。
耳の周りの「みみだれ」は拭きましょう。
耳の穴の中は、そのまま、何もしないでいいです。
耳鼻科でうみを吸います。

③腫れがすごく強い時だけ、抗生剤を飲む
抗生剤は、腫れが非常に強い時だけ使います。(中耳炎が原因で高熱が出ている時や、痛み止めでも痛みがとれない時)
ほとんどの中耳炎は、抗生剤を使わずに治ります。
また、鼻水の薬(ポララミン、アリメジン、ペリアクチンなど)は、飲んでも飲まなくても変わりませんので、おすすめできません。

④菌がこれ以上入らないように鼻を吸う
「鼻が多いな」と感じたら、こまめに鼻を吸いましょう。
家で吸い切れない時は、耳鼻科に来ましょう。
鼻の通りをよくしておくと、早く治ります。

●滲出性中耳炎の治療

腫れのピークを過ぎてから完治までの間で、聞こえを元通りにしていく時期。
大事なことは一つだけ。

うみが無くなるまできっちり通う

通院の目安は1週間か2週間ごと。順調に治っているか、みていきます。
途中で鼻水が増えたら、1週間あけず、早めに鼻を吸いに来ましょう。

中耳炎にかかってから3ヶ月間は、治り具合をみますので、「完治です!」と言われるまで通いましょう。痛くなくなると、何となく治っている気がして、来なくなる方がいます。中耳炎の治療のゴールは、鼓膜の奥のうみが完全になくなり、聞こえが元に戻ること。しっかり治し切りましょう。

治療を中断してうみが残っていると、このうみが、繰り返し中耳炎になる原因になります。
うみの量によっては、2~3ヶ月かかることも多いもの。
なかなか治らないなあと感じるでしょうが、これが中耳炎。根気よくがんばりましょう。

耳鼻科に行かない日は、鼻のつまり具合をよくみましょう。鼻がかめる子は、よくかんで。小さい子は、こまめに吸ってあげましょう。鼻通りを良くして、うみが抜けていく道を開けてやると、早く治ります。

●3ヶ月過ぎてもうみが残ったら?

鼓膜にチューブを入れる方法を考えましょう。
初めはサラサラしていたうみが、3ヶ月を過ぎると、ドロッと粘っこくなり、なかなか自然に抜けにくくなります。さらに、家族も気になるくらいの難聴がある場合には、鼓膜に小さいチューブを入れる方法をおすすめします。チューブについては、その状況になった場合に、詳しく説明します。

●ほかの治療は?

子どものころ、中耳炎になると、鼓膜を切ってうみを出した経験がある方もいるでしょう。
また、抗生剤を何カ月も飲んで、いつ治るのかな?と思った方もいるでしょう。
鼓膜を切ってうみを出す方法と、薬についての、当院の考えです。

1.鼓膜切開
極力避けます。
鼓膜切開は、鼓膜を切ってうみを吸い出す方法です。
経過をみていくうちに、うみが増えて、聞こえが下がった場合に行うことがありますが、何度も繰り返すことはありません。1~2回まで。ほとんどの場合、またうみがたまります。
穴がふさがるまでの短期間(1週間くらい)の効果にすぎないからです。

2.薬による治療
飲み薬はごく弱い効果で、1カ月以上飲んでも早く治るわけではありません。
抗生剤を飲んだ方がいいのは、中耳炎が原因で高熱が出ている時と、痛み止めでも痛みがとれない時だけ。最近の研究で、長く使っても、早く治るわけではないことが分かってきました。

次に、鼻水の薬(ポララミン、アリメジン、ペリアクチンなど)はどうでしょうか?
残念ながら、これらの薬はほとんど効果がありません。飲んでも飲まなくても変わらないです。
それだけでなく、副作用で、鼻を粘っこく固めてしまい、鼻が余計つまります。
一緒に中耳炎のうみも粘っこくなり、うみが抜けにくくなるので、おすすめできません。
このため、当院では、腫れが非常に強い急性中耳炎以外で、飲み薬を処方することはありません。

●当院の治療方針

初めの1週間は、痛み止めや抗生剤で乗り切ります。
その後の滲出性中耳炎に対しては、飲み薬は一切出さず、3か月は、治り具合をみていきます。
3ヶ月以上たっても、治る気配がなかったり、聞こえが良くない場合には、鼓膜にチューブを入れる方法をおすすめします。

●お風呂、プールは?

中耳炎はカゼや鼻づまりが原因なので、特別指示がなければ、入浴、シャンプー、プールは、普段通りにやってかまいません。耳に水が入って中耳炎になることはありませんし、悪化することもありません。予防接種も、熱や痛みがなければ、耳鼻科としては問題ありません。

●家で気をつけること

お家では、鼻通りをよくみて、つまっていたら、こまめに吸いましょう。
鼻通りを良くしておくと、中耳炎の予防になります。小さいうちはカゼをひきやすいので、中耳炎になるのは仕方がないですが、よほど腫れなければ、意外と痛がりません。
そのため、気づかずに中耳炎になったまま、うみが残っている子もいます。
カゼをひいたり、鼻が多いときは、耳は大丈夫かな?と、早めにチェックに来ましょう。
軽いうちなら早く治ります。カゼをひいたらすぐ耳鼻科。

●最後に

中耳炎は、一直線に治るわけではありません。順調に治っていても、鼻が増えると、急にうみが増えたりします。そのため、1週間毎にチェックに来ましょう。途中でうみが増えても、軌道修正ができます。

中耳炎はカゼと違って、完全に治るまでは、月単位かかります。 根気よくきっちり通い、しっかりと治しきるまで、みんなで頑張りましょう。

診療のご予約はこちら